課題と解決とその効果
課題
- 医療機関が密着する地域環境の中で、採用難が慢性化していた
- 紹介料が課題として取り沙汰される時期でもあり、採用手法の見直しが求められていた
- 院内では採用が属人化しやすく、特に看護部が採用に十分関与できていない状態があった
- SNS活用は過去にも検討があったものの、院内で継続運用する体制づくりが難しかった
解決策
- 伴走支援により、採用実務を一緒に進めながら意思決定のスピードを上げる運用へ
- 紹介会社との付き合い方・伝え方を整理し、病院側に採用ノウハウを蓄積
- Instagram運用を「担当者任せ」にせず体制化し、看護部の協力を得ながら継続できる形へ
- LINE等の導線施策も試行し、反応のタイムラグを踏まえて改善を継続
その後の効果
- 看護部が採用に関わる場面が増え、院内連携が前進
- Instagramは投稿が伸長し、最大11万回再生を記録
- 施策効果を組織として捉えられるようになった
- 採用は少しずつ前進している手応えを実感
医療機関が密着する京都府内において、急性期医療の役割を担う西陣病院。
採用環境が厳しさを増すなかで、同院は採用活動の進め方そのものを見直し、「属人的になりがちな採用」を「組織が回る採用」へと転換する取り組みを進めてきました。
今回、マイナビ医療・介護経営の支援を導入した背景や、採用支援・Instagram運用を通じて生まれて変化について、西陣病院の事務部長の白木さん、人事課の藤原さん・山本さんにお話を伺いました。
西陣病院が抱えていた採用環境と、病院としての役割
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白木さん(事務部長)
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京都府内は医療圏が非常に立て込んだ地域で、急性期の病院も多く、採用は年々難しくなっている実感があります。そのなかで西陣病院は、京都市の北側に位置し、急性期医療の担い手として一定の役割を維持していかなければならない土地です。
当院は透析患者さんが多い病院でもあり、病院の成り立ちにも関係しています。さらに、社会福祉法人の病院として「無料低額診療」に関わる役割も担っています。地域の背景や生活困難を抱える方々が一定数いらっしゃることを踏まえると、地域の中で医療を持続させていくこと自体が重要なテーマでした。

採用の”厳しさ”に加え、手段の見直しが必要だった
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白木さん(事務部長)
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採用が難しくなっているのは当院だけの話ではなく、地域全体の構造的な問題でもあります。看護師さんの取り合いになるなかで、「何もしない」わけにはいかない。という危機感もありました。
また当時は、採用手段のあり方が社会的にも話題になる時期で、病院側としても紹介会社との向き合い方を含め、採用活動の進め方を見直す必要がありました。だからこそ、提案を受けた際には、支援の考え方についてかなり細かく確認しました。
決め手は「任せきり」ではなく「一緒に進める」伴走型
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白木さん(事務部長)
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採用コンサルティングは、決まりきったやり方を当てはめるだけだと、現場に合わず結果も出にくい印象があります。導入時に重視したのは、毎週来て実務を一緒に進めるというスタイルでした。
採用は「病院の仕事」です。外部に丸投げしてしまうと、病院の中に何も残らない。
だからこそ、「お任せ」ではなく、「一緒にやる」前提で進められることが重要でした。
採用実務を整理し院内にノウハウを蓄積する
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藤原さん(人事課)
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私は採用に関して前職では経験がなく、引き継いだ当初は本当に門外漢でした。 だからこそ、採用の進め方や紹介会社との付き合い方など、基本的な部分から整理していただけたことが助けになりました。
特に印象に残っているのは、疑問点を投げた際のレスポンスの速さです。前職では「一度持ち帰って検討します」という文化が強かったのですが、採用はスピードが必要な場面も多い。
やり取りのテンポが上がったことで、前に進みやすくなりました。

Instagram運用を「個人任せ」しない体制づくりへ
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白木さん(事務部長)
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SNSは「始める」より「続ける」ほうが難しいと思っています。いわゆる”中の人”の負担がどうしても大きくなる。勤務形態や工数、院内の理解、発信に伴うリスク感など、続かなくなる理由はいくらでもあります。
当院でもSNSの話自体は過去からありましたが、継続運用に必要な体制づくりが課題でした。今回の取り組みでは、運用を個人任せにせず、担当・協力・確認の流れを整え、看護部の協力を得ながら進めていけた。ここが大きな変化でした。
結果として、動画で最大11万回まで伸び、院内でも「見られるものを作る」取り組みが具体的な手応えとして共有されるようになってきました。
LINE導線が”時間差”も踏まえて改善し反応を獲得
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白木さん(事務部長)
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途中で「これは失敗では?」と思った施策もありました。ただ、改善の後に運用を続けた結果、LINE経由で3件の反応があり実際に入職までつながりました。
採用広報は、やった瞬間に結果が出るものばかりではない。タイムラグも含めて施策を捉える経験ができたことは、その後の判断にも生きています。
採用が「組織で協力するもの」へ
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白木さん(事務部長)
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採用数が“爆増した”という状態ではありません。ただ、厳しい採用環境の中でも、取り組みが前に進んでいる実感があります。特に大きかったのは、看護部を含めた協力の動きが少しずつ増えたこと。
採用活動が「誰か一人の頑張り」ではなく、「病院としての取り組み」になってきた感覚があります。
採用は「任せきり」ではなく、「一緒に進める」で前に進む
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白木さん(事務部長)
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採用は、外部に全部任せれば解決する領域ではないと思っています。任せきりになると、何か起きた時に「あっちが悪い」「こっちが悪い」と責任の話になりやすい。一方で、伴走型で一緒に進めていると、良かった点も課題もその都度擦り合わせながら前へ進めます。
採用は正解が見えにくい領域だからこそ、「任せる」ではなく「一緒にやる」前提で進められるかどうかが大事だと感じました。
また、施策は常に一直線に成果を得られるわけではありません。途中で「これ、失敗では?」と感じた局面もありましたが、その時に率直に相談でき、改善へ切り替えられたこと自体が大きかったです。言いづらいことも含めて話せる関係性が、結果的に前進につながると思います。
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藤原さん(人事課)
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私自身、採用に関しては門外漢の状態からスタートだからこそ、伴走の中で採用の進め方や付き合い方などを整理し、「教えてもらえる状態」をつくっていただけたことが大きかったです。
支援を続けるにしても、最終的には院内にノウハウが残り、担当者が変わっても回る状態を目指すことが重要だと思います。
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山本さん(人事課)
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現場として印象に残っているのは、マイナビ担当の方々が「業務として」ではなく、病院のことを理解しようとしてくれている点です。こちらの事情を踏まえた上で、「どうすれば前に進むか」を一緒に考えてくれる。そうした姿勢があるから、院内の連携も進みやすくなったと感じます。
また、支援の中で「自分たちだけでは気づけなかったところ」に光が当たり、動けるようになっている実感があります。
採用や発信に悩みがある法人さんほど、”一緒に進める相手”を得ること自体が前進のきっかけになるのではないでしょうか。

【社会福祉法人 京都社会事業財団 西陣病院(京都府京都市)】
京都市北部に位置し、医療機関が密集する京都市内において急性期医療の役割を担う。
透析患者が多いことに加え、社会福祉法人として無料低額診療にも関わるなど、地域医療の基盤を支える機能を持つ。
法人情報
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- 法人名
- 社会福祉法人 京都社会事業財団 西陣病院
- 業種
- 医療/介護・福祉
- 規模
- 300床
- 支援期間
- 1年~