Case Study

応募や紹介数が急増!              新病棟開設での看護師採用を成功に導いた戦略とは?

投稿日

課題と解決とその効果

課題

  • 新病棟オープンに伴う看護師の採用が必要という急務の状況
  • 組織の将来を見据え、職員の高齢化に伴う若返りの必要性
  • 採用に関するマンパワー・ノウハウが不足しており、戦略的な採用活動が困難

解決策

  • 病院の特徴やPRポイントの整理、効果的な打ち出し
  • 内定辞退・早期離職防止のためのフォロー体制を強化、定着率向上に寄与
  • 病院の強みを生かした採用戦略の展開

その後の効果

  • 必要数を上回る採用に成功し、現在も人員は充足。離職率も5.4%と低水準を維持
  • 若手職員の増加により、組織の若返りとイメージ刷新を実現
  • 看護部長、事務長を巻き込んだチーム体制で、難易度の高い採用にも成功。採用活動が「個人の頑張り」から「組織の戦略」へと進化

マイナビ医療経営で専門家を活用する組織には、一体どのような変化が起きるのでしょうか。ここでは、実際に経営課題の改善に向けて取り組んだ法人の皆さんに、実感できたメリットについて詳しく伺います。

今回登場していただくのは、医療法人社団 木野記念会 福田西病院(静岡県磐田市)で看護部長を務める杉山由香さんと、事務長の横山彰雄 さんです。

新病棟の開設に向けて、数十名の看護師採用を開始!

横山 彰雄さん

当院は2024年5月に児童思春期病棟(50床)を新設したのですが、それまでの看護師数では明らかに人手が不足していました。診療報酬上の基準を満たすことが難しい上に、准看護師の人数が正看護師を上回っていたため、体制面にも課題を抱えていました。万全の体制で患者さんに対応するには、新病棟が稼働するまでに、病棟にマッチする正看護師を新たに数十名確保する必要があったのです。

しかし、新聞や雑誌などに求人広告を出しても、なかなか応募が来なくて……。私一人で採用活動を続けることに限界を感じていた時、マイナビ担当者から本サービスの説明を受け、「これはいい!」と直感しました。もともと、マイナビ担当者の人柄に好印象を抱いていたことも大きかったと思います。スムーズかつタイムリーに、当院が考えていた採用活動を実現してくれるだろうという期待に加えて、「この人になら任せられるかもしれない」という安心感から導入を決意しました。



杉山 由香さん

今回の採用においては、「児童思春期病棟」という専門的な領域ということもあり、単に人数を集めるだけではなく、求める人材像にもこだわりがありました。当院が必要としていたのは人と関わることが好きな人、そして、ただ好きなだけでなく積極的に行動できる人材です。さらに、倫理的な問題に対して敏感で、課題をきちんと察知し、対応できる力も重視していました。そのため、小児科や精神科の領域に「なんとなく興味がある」というレベルではなく、これまでのキャリアも含め、小児精神の領域に対してどれだけ関心を持ち、実績を積んできたかを重要視しました。

また、患者さんを一人の生活者として見ることができるかどうかも、大切なポイントでした。どの診療科でも同じことが言えますが、患者さんはいずれ自宅に戻り、学校や社会へと復帰していきます。その未来を見据え、それぞれの患者さんを生活者として捉え、関わることができる看護師を求めていました。

PRブック作成にインターンシップー新たな施策で採用力アップ

横山 彰雄さん

さまざまな施策に取り組みましたが、特に印象に残っているのは、マイナビ以外も含めた 人材紹介会社へのアピール強化です。看護部長とマイナビ担当者が人材紹介会社に足を運び、当院のPRや求める人材像を積極的に伝えました。そして、新棟が完成した際には、紹介会社の担当者に来院してもらい、院内の雰囲気や思いを直接伝えたのです。また、スカウト型の採用、ハローワークの活用、当院ウェブサイトのリニューアルなど、採用経路を多様化。その結果、応募数が大幅に増加しました。知名度がまだ高くないこともあり、当院の採用数は毎年数名程度でしたが、本サービスを導入して以降、応募数は200件を超え、最終的に希望通りの人数を採用できました。単に必要数を補充できたというだけでなく、当院が求める人材を迎えられたことにも大きな満足感があります。積極的なアピールによって紹介会社の担当者に熱意が伝わり、当院にマッチした看護師の情報提供が増えたのかもしれません。

また、アピール力を強化するためにPRブックを制作したことも効果的でした。これまで自院を紹介するための媒体が一切なかったため、マイナビ担当者から提案を受けて、すぐに制作を開始。伝えたい内容がたくさんあり、絞り込む作業に苦戦しましたが、マイナビ担当者の的確なアドバイスのおかげで素晴らしいものに仕上がりました。職員の人数や平均年齢といったデータを定期的に再集計し、更新してもらえる点も大変助かっています。
 



杉山 由香さん

応募を検討している方々が気になる情報を的確に届けたいと考え、職員のリアルな声も盛り込みました。当院は精神科に特化した病院であり、中途採用者がスタッフの大半を占めます。新卒採用者とは異なり、経歴や転職のきっかけ、入職後の感想といった情報を盛り込んだことは、非常に画期的でした。職員の声は、性別・年代・経歴・役職など、さまざまな背景を持つ職員の中から数名を選び、マイナビ担当者がインタビューを実施。子育て中の方や、精神科勤務の経験がある方/ない方など多様な視点を盛り込んだことで、幅広い応募者に当院の魅力が伝わったのではないかと感じています。

さらに、現場の様子をより分かりやすく伝えるために、インターンシップを開催しました。半日コースと全日コースの2種類を設け、3つある病棟から見学したいところを選んでもらう形式です。学生時代に精神科領域の実習を経験していても、それほど期間が長くないため、なかなか現場の実態や魅力は見えてこないものです。治療方針や使用物品といったハード面はどんどんアップデートされていますし、当院の病棟や職員の雰囲気といったソフト面も、写真や言葉だけではなかなか伝わりにくいものです。そのため、実習時のイメージだけで入職を決めてしまうと、理想と現実のギャップが大きくなり、双方にとって望ましくない結果につながる可能性もあります。だからこそ、実際に見て、聞いて、感じていただくことが重要だと考えました。

インターンシップは初めての試みでしたが、各病棟の師長をはじめ全スタッフが「新しい仲間を迎えたい」という思いで動き、とても協力的でした。限られた時間ではありましたが、採用前に候補者の雰囲気を知ることができたので、当院にとっても大きなメリットがありました。現時点では、インターンシップ参加者の大半がそのまま採用面接を希望しており、インターンシップを「最後の決め手」として活用しているように感じます。

採用面だけではなく、定着率や離職防止へのアプローチを強化

横山 彰雄さん

入職前のハードルを下げるために、同期会も開きました。大規模病院のように多くの職員が一度に入職するわけではないため、看護師に限らず、さまざまな職種の方々が一堂に会する形式を採用。職種が異なると日常的に話す機会はどうしても少ないので、入職前に顔を合わせ、同期で交流するきっかけをつくれたことには大きな意義があったと感じています。安心感を持って入職できるだけでなく、同期の存在が離職の予防にもつながると期待しています。マイナビ担当者がサクサクと準備を進めてくれたおかげで、あっという間に開催へとこぎ着けることができました。




杉山 由香さん

入職前の同期会は、参加者同士が知り合うきっかけになる上、既存スタッフが内定者と直接関わるチャンスでもあります。雑談を通してお互いの趣味などを知ることができ、入職後に院内で顔を合わせた際にも、自然と会話が生まれやすくなりました。相手のことをよく知らないまま業務が始まるよりも、すでに顔見知りであったり会話のきっかけがあったりすることで、職場になじみやすくなっている印象があります。

さらに、マイナビ担当者からアドバイスを受け、入職後の定着率を高めるためにフォロー面談を導入しました。新しい環境に慣れるまでの不安を少しでも解消できるよう、入職から約1カ月後を目安に行っています。面談は私自身が行うこともあれば、師長に任せて後日フィードバックを受けることも。ある程度、現場に任せたほうが進めやすい場合もあるため、状況を見ながら臨機応変に対応しています。

もちろん、形式的な面談に限らず、普段からさりげなく声をかけることも大切にしています。帰り道などで「元気?」「少しは慣れてきた?」などと声をかけると、何気ないやり取りから会話が始まり、10~15分程度でも話を聞くだけでホッとしたような表情で帰っていく姿をよく見かけます。それでも気になる様子の者がいれば、所属部署の師長に一声かけてフォローをお願いし、引き続き様子を見守れるよう体制を整えています。

選ばれる病院を目指し、これからも歩み続けたい

横山 彰雄さん

本サービスを導入して本当によかったと感じています。マイナビの担当者は、私たちがこれまで思いもよらなかった新しい取り組みを次々と提案・実行してくれました。医療という特殊な業界にいると、どうしても「井の中の蛙」のように視野が狭くなりがちですが、業界の枠を超え、一般社会の基準や感覚に基づいた発想やアドバイスを数多く頂けたことは非常に貴重でした。さらに、行動力に優れ、非常にスピーディーに対応してもらえた点も、私たちにとって大きな支えとなりました。

PRブックにも記載していますが、当院の病院理念には「こころ病む全ての人に手をさしのべたい。そのために、新しい効果的な治療法を常にとりいれ、その成果を全国に広めたい。」とあります。この言葉の通り、精神科領域の病院として「やっぱり福田西病院がいいよね」と言ってもらえるような存在をめざして、これからも取り組んでいきたいと考えています。

 

杉山 由香さん

本当に、とても丁寧に対応してもらいました。自分では気付かなかったことも多く、アドバイスや声かけなど、非常にサポーティブに支えてもらえたと感じています。物事がどんどん前に進んでいく印象もあり、紹介会社へのあいさつなど慣れない対応も間に入って力強く進めてもらい、とても頼りになりました。

私は、当院の看護は本当に素晴らしいと心から思っています。この思いは、新しい職員を迎えたことでさらに強くなりました。当院のよい部分と課題がこれまで以上に明確に見えるようになり、課題については関係者と話し合いながら、少しずつ改善に取り組んでいます。職員の声を大切にしながら守るべき部分と変えるべき部分を見極め、バランスを取りつつ前進するのは簡単なことではないですが、確実によりよい方向へ向かいつつあると実感しています。

こうした当院のよさをより広く発信していきたいし、当院が地域の中で果たすべき役割についてさらに深く掘り下げ、地域貢献の機能を強めていきたいと思っています。そのためにも、認定看護師や専門看護師といった、より実践力の高い看護師を育成していくことが、今後の重要な課題だと考えています。
 

【医療法人社団木野記念会 福田西病院(静岡県磐田市)】

1987年開院。精神科・神経科に特化し、141床を有する3つの病棟(児童思春期、急性期、精神療養)を構える他、外来診療および精神科デイケアも提供している。子どもから高齢者まで、急性期から慢性期に至る幅広い患者さんを診療しており、特に思春期の子どもたちの心のケアに力を注いでいる。デイケアはフリースクールとしても機能しており、さらに地域の小・中学校の特別支援学級として、県内で唯一の院内学級を設置している。

法人情報

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法人名
医療法人社団木野記念会 福田西病院
業種
医療
規模
~ 141床

法人情報

法人名
医療法人社団木野記念会 福田西病院
業種
医療
規模
~ 141床

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  • 人事評価制度
03-6636-6272

(平日9:30~17:30)